“抜歯をして矯正治療を行うことが当たり前ではなく、これしか出来ませんというのが本音です。”しかしながら、少しでも少ない本数ですめば?ムシ歯の歯を抜く対象に出来れば?などを念頭に28本は残し、29本目からは残念ながら抜歯という形でお願いしております。ご両親がきれいな歯並びで親知らず(8)まできれいにはえていれば一考の余地があるかもしれません。がしかし近年アレルギー性鼻炎の罹患率の増加から、30年前の子どもたちより硬いもの(よく噛まないと飲み込みにくいもの)を食する機会が少なく顎の骨は縮小傾向にあるようです。いわゆる風邪をひいたときにお粥を食べる様なもので、現代っ子に著しい顎の発達は望めそうにもありません。 当院では少しでも顎の発達を促すように、まずは耳鼻科医の助けをお借りし鼻炎の改善から取り組んでいます。口呼吸から鼻呼吸へと呼吸法の改善を指導し硬いものを食するように、また“鼻の調子が良かったらこんな歯並びになっていた”のでは?という形状を目指して治療します。決して新しい歯並びを作っているのではなく本来の姿に戻すということを主眼におき結果的に今からはえるであろう歯(8)に期待を込め治療するようになりました。 残念ながら100年前から続いた小臼歯抜歯の方法は、ワイヤー(形状記憶合金や体に優しい柔らかいワイヤー)の発達により過去のもになりつつあります。日々、上記事項の更なる高効率化を目指し短期間に、痛みが少なく、後戻りの少ない“本来の姿”をイメージし研究して行く次第であります。